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〜Pencavel〜 20180913

(Lakatos(1970)は、経済学者や社会学者がPopperの方法論を受け入れようとしないのは、新進気鋭のリサーチプログラムがこれまでの事実を改変してしまう破壊的な効果が一つの理由であろう、と述べた。)。”わからない”というのは、研究者が注意深く問題設定をした後にようやく出てくるものである。

 労働供給の研究において、仮説検定がなされない本質的な理由は多くの経済学者がそのテストを消費者の補償需要曲線の傾きが価格に対して負である、ことを問うことに等しいと考えているということである。結局のところ、その議論は以下に落ち着く。労働供給の新古典派理論は、簡単な消費者の配分問題の拡張であるが、我々はなぜ、そこまでして需要曲線の傾きが負であると信じるのであろうか。消費者理論がそれ自体、支持されているかどうかという問題は置いておいて、反対のエビデンスが欠如している中で、仮説を確認する作業は、望ましい結果とともに増加している。消費者行動の理論が、りんごやオレンジなど多くの果物の需要をきじゅつしているけいこうがあるとわかれば、経済学者は、それを梨に応用することに注力するだろう。