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本ブログに記載されている内容は個人的見解です。

~不動産修繕費用~ ~育児と賃金~ 20180809

1. 不動産修繕費用

・高費用

 ・エレベータ 500万~1000万

 ・給排水等配管(*3F建12戸の部屋で) 200万

 ・外壁塗装,屋上防水 数百万

・低費用

 ・インターホン 1万~

 ・ウォシュレット 7千~

 ・キッチン 10万~ 

 

2. 育児と賃金

 ・Empirical Specification and Econometric Issues

 次に前回のモデルにこどもの変数をいれて、労働のアウトカムと各変数の線型的な関係性を明らかにするモデルを考えよう。NKID_{it}をこどもが4人以下の場合、値としてこどもの数をとり、そうでなければ0をとる変数として定義する。次にDKID_{it}をこどもが5人以上いる場合、1をとるダミー変数として定義する。例えば、こどもの人数が3人の人の場合、NKID_{it}は3をとり、DKID_{it}は0をとる。

 次は非線形のモデルを考える。先ほどのNKID_{it}をそれぞれNKID_{j\ it}\ {j\ =\ 1,2,3,4}とする。この変数はj\ =\ 1の時、こどもが1人ならば1をとるダミー変数である。この変数が1から4まであると考える。

 これらのモデルを推定する方法は4つある。まず1つ目はOLS推定である。この推定方法は広く使われているため、他の研究と比較可能である。しかし、その推定は、omitted variable biasなどにより、多くの場合biasする。

 そこでbiasを回避する方法として、

1 instrumental variable procedure

2 sibling fixed effect estimate

3 individual fixed effect

などがあげられる。1に関して簡単に説明しよう。Angrist et al(1997)は男性の出生能力を推定した。彼らの関心の変数であったのは3番目の子供がいるか、どうかであった。3番目の子供がいるかいないかをとるダミー変数を取り、そこに操作変数として、3人目が生まれる前の2人の子供の性比を取り入れた。ある親は子が男の子2人であれば、おそらくバランスの良い家族構成を考え、女の子を産むために3人目の子供を望むであろう。つまり、3番目の子供が生まれる前の2人の性比は3番目の子供を産むかどうかと相関する。一方で性比がその他の変数と相関するとは考えにくい。このため、3番目の子供のダミー変数の係数推定値は頑健に推定される。

しかしこの研究では、3番目の子供のダミー変数が関心の変数ではないため、このアプローチは使用することができない。そこでindividual FEを用いる。この方法は、Koreman and Neumark(1992)やWaldfogel(1997)(on children on women wage),Neumark(1991)(on the marriage premium)で用いられている。individual FEは観測不可能な時間を通じて一定の変数に関する影響をモデルの中から排除し、係数推定値のbiasを引き下げるが、それでもなおbiasが生じると考えられる理由が2つある。

1点目は結婚や出産のタイミングが賃金に影響を与えるのではなく、賃金が上がるあるいは昇進するタイミングで結婚するという考え方もあるであろう。つまり逆の因果が存在している場合がある。この場合、係数推定値がbiasする。また、そもそも賃金が高い人が、結婚しやすいし、子供を作りやすいということも考えられる。hours equationに関して、労働時間は比較的時間を通じて安定していると考えられるので、逆の因果を問題にしなくても良いと考えられる。

 1. The Effect of Sons versus Daugters

子供の性別が労働のアウトカムに与える影響を見ていくために、それぞれ基本モデルに3つの変数を組み入れたケースを個別に考えていく。

  1. NBOY3,NGIRL3,GIRBOYS それぞれ男の子が3人未満、女の子が3人未満、男の子か女の子が3人以上、ならば1をとるダミー変数

  2. IFBOY,IFGIRL それぞれ少なくとも、男の子が1人、女の子が1人であるならば、1をとるダミー変数

  3. FIRBOY,FIRGIR それぞれ最初の子供が男の子なのか、女の子なのかで1をとるダミー変数

最後に、非線形モデルにGIRBOYG変数を加えたモデルも考える。

 

 ・Result

FEの推定結果に関して、簡単に説明すると

 1. 結婚ダミーのみのモデル。結婚している男性は、そうでない男性に比べて6.1%賃金が高い

 2. NKIDDKIDを入れたモデルにおいては、その数値は5.7%に下がり、DKIDの係数は4.2%と推定される。

 3. 非線形モデルでは、1,2人目の子供に関しては正の有意な推定値。3,4人目に関しては、その値は小さく有意ではない。

 4. OLSと比較すると、marriage premiumは10%に対して6%だから、OLS推定値はupward bias。positive selectionが起きている。wageにもmarriageにも正の影響を与える観測不可能な要因が存在したため、FEによって、係数推定値が減少したと考えられる。。

 5. OLSと比較すると、子供変数の係数推定値は大きい。つまりOLSの係数推定値のdownward biasはnegative selectionによる。

 6. OLSにおいては、4人目の子供は賃金にマイナスの影響を与えるが、FEによるとプラスの影響を与えることがわかる。つまり、OLSによる子供の限界効果の減少は、観測されない異質性によってもたらされたものだとわかる。