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本ブログに記載されている内容は個人的見解です。

~操作変数法~ 20180924

操作変数法 Instrumental Variable Method

 

(1)内生性 (endorgeneity)                                                        

 

y=α+β_1x_1+...β_kx_k+...+β_nx_n+ε

 

このモデルにおいて、重要な仮定は

 

E(x_k,ε)=0

 

であった。この仮定が満たされない場合( = 内生性が存在する場合)、係数推定値はバイアスすることが知られている。

この仮定は現実的な仮定であろうか? 例えば

 

Wage=α+βeduc+ε

 

という賃金方程式を考えたときに、観測できないabilityはeducと相関する可能性がある。

例えば、社内において能力が高い人が、MBAを取得するために大学院へ通うということはよくあることだ。

 

モデル内の説明変数が観測不可能な別の変数と相関する場合( = モデル内の説明変数が内生的に決定される場合)、OLS推定量は一致性を持たないという問題が発生する。

この問題を内生性の問題という。

 

内生性の要因は以下の3つである。

(1)欠落変数 --- 例 先のability

(2)測定誤差 --- 例 アンケート調査 "あなたの去年の時給はいくらですか?"

(3)同時性 --- 例 マクロの消費関数 "消費は所得に影響を及ぼす、所得は消費に影響を及ぼす"

つまり、上記のいずれかが発生した時にはなんらかの対処を行わなければ、正確な推定ができない。そこで操作変数法である。

 

(2)操作変数法 (IVM)                                                              

 

操作変数法は以下の

 

E(z,ε) = 0\ and\ E(z,x) ≠ 0

 

仮定を満たす操作変数zをモデルに含めることで、関心の変数xの係数推定量は一致性を持つ。

例としては、先の賃金方程式において"母親の教育年数"は教育年数と考えることができる。

母親が大学まで行っていれば、その子供は大学まで行く可能性が高い。さらに母親の教育年数は、子供の賃金に影響を与える観測不可能な要因と相関しないと考えることができるため、母親の教育年数は操作変数の条件を満たしている。

有名な操作変数の例はAngrist and Krueger (1991) "Does Compulsory School Attendance Affect Schooling and Earnings?"における、date of birthなどがある。