tmp

本ブログに記載されている内容は個人的見解です。

~Pencavel~ 20180914

労働市場で起こる交換はフルーツの購入に関する個人の行動と同じように十分記述できるかどうか、フルーツの需要曲線に関するエビデンス労働意欲の供給と関連があるかどうか、は決して明らかではない。多くの経済学者が強調しているのは、労働市場における取引はいくつかの段階を踏むということである。支払われる賃金、適用される労働意欲のレベル、労働者が指示される活動の範囲、契約の期間などである。特定の賃金と労働時間のコンビネーションは財バンドルの交換の部分集合を表しているにすぎない。この部分集合が残りから抽出され、慣習的なモデルが適用する配分プロセスのタイプによって適切に特徴化されうるかどうかも、全く持って明らかではない。労働者の選好が労働市場の意思決定に関係ないということを提案したいのではない。ただ、正統なモデルの下で私が要求するものが労働市場のアウトカムを決定するために選考や機会を集める方法の最も有用な特徴化ではない、を提案したい訳でもない。

それにも関わらず、関連あるパラメータを測定しようとする研究の試みは、我々の問題の理解を幾分かきちんと推し進めた結果になる。例えば、labor force participationとは別の労働時間の経済学、エコノメトリクスは20年前よりもはるかに理解されている。

非線形予算制約のliteratureは決して最近のものというわけではないが、実証的な作業の影響が十分に調べられているのは、ここたった10年の出来事である。労働供給の追跡可能な発達、応用において、この問題への大きな進歩があった。我々は労働行動における大きな実証的規則に関する多くの情報を今日かなり持っている。特に労働時間において、個人間の変動を説明するはずの観測不可能な変数に対する重要性について、多くの情報がある。これら全ての点において、ここ20年間の情勢と比較すると、普遍的に労働供給への調査、批判的なディベートが急激に増加した。この意味において、否定できな進歩があったと言える。このサーベイの構成は以下のようになる。次章では男性の労働市場において主なタイムシリーズ、クロスセクションの実証的な規則を確認していく。伝えるべき経済学の理論を全て伝える。第3章では労働供給の正統な静的モデルをまず伝え、次にそれらの全体としての応用における問題を即座に扱う方向で進める。この静的なモデルは非線形予算制約の状況を扱うよう修正されている。第3章では最もポピュラーな労働供給のライフサイクルモデルの概要を述べ、結論とする。第四章は静的モデルの問題とその結果を。このセクションでは、モデル特定の問題を、アメリカの非実験的な、イギリスの、アメリカの実験的なliteratureに関して記述する。第5章はライフサイクルモデルの応用からの推定値に関して議論する。結論提案、future researchを第6章とする。

〜Pencavel〜 20180913

(Lakatos(1970)は、経済学者や社会学者がPopperの方法論を受け入れようとしないのは、新進気鋭のリサーチプログラムがこれまでの事実を改変してしまう破壊的な効果が一つの理由であろう、と述べた。)。”わからない”というのは、研究者が注意深く問題設定をした後にようやく出てくるものである。

 労働供給の研究において、仮説検定がなされない本質的な理由は多くの経済学者がそのテストを消費者の補償需要曲線の傾きが価格に対して負である、ことを問うことに等しいと考えているということである。結局のところ、その議論は以下に落ち着く。労働供給の新古典派理論は、簡単な消費者の配分問題の拡張であるが、我々はなぜ、そこまでして需要曲線の傾きが負であると信じるのであろうか。消費者理論がそれ自体、支持されているかどうかという問題は置いておいて、反対のエビデンスが欠如している中で、仮説を確認する作業は、望ましい結果とともに増加している。消費者行動の理論が、りんごやオレンジなど多くの果物の需要をきじゅつしているけいこうがあるとわかれば、経済学者は、それを梨に応用することに注力するだろう。

~データ分析の根本的な問題 モデルに対するテスト Pencavel 続き ~ 20180912

Jevons(1888)がこの問題に関して、はっきりと述べたという事実はあるが、制約条件付き効用最大化問題が働供給曲線の賃金に対する傾きについて明示的に何かを示すわけではないという主張はRobin(1930)の功績である。(Jevons 生産と労働の関係性を環境が変化させると仮定すると、労働量に対してどんな効果があるのか?考えられる効果は2つである。労働力として、より多くの商品を生産するとき、より多くの賞賛が得られ、より多くの労働への誘引が生まれる。ある労働者が1時間あたり6ペニーではなく、9ペニー稼ぐならば、その増加した結果によって労働時間を引き延ばそうとしない可能性があるのだろうか?これが前回以上の半分得るという事実が、追加分に対しての効用を引き下げる、というケースではないことは明らかだ。同じ労働時間であることによって、彼はより完璧に、欲望を満たすことができる。労働の鬱憤が最高潮に達すると、何かを消費したい欲求による喜びよりも労働を少し休むことによる喜びの方が大きいかもしれない。このクエスチョンはより多くの財からの効用と長引く労働の苦痛の間の均衡が変化すること、その方向に依拠する。効用と労働の関数の正確な形式を無視してしまえば、これまでの方法でこのクエスチョンに答えることは不可能であろう。) 効用関数の形式に対する知識が何もない状態で、その点を指摘したのち、労働供給曲線の傾きを描くことは不可能である。そしてJevonsは財の価格の急激な上昇はより大きな労働時間を誘発する事例を進んで実証し、実際は労働供給は賃金に対して負の傾きを持つ、と推量した。労働供給曲線の賃金スロープを調査した最初の実証的な試みはPaul Dougla’s “Theory of Wages” (1934)である(FrainやTeperなども20s後半から30s前半にかけて、簡単に研究を行なっている)。参考にしているデータは1920年国勢調査であり第一章に記載がある。38のアメリカの都市における年齢-性別の各グループに対して、人口に対する雇用比率を製造業における年間実質収益に回帰した。外国で生まれたものあるいは黒人に関しては固定した。男性の全ての年齢のグループに対して、負の相関が見られた。有意にこの関係性が0とは異なることが示されたのは、非常に若い層と年齢が高い層だけであった。 別の章では、タイムシリーズ、クロスセクション(産業、州毎)の労働時間、時間あたり収入に関するデータの調査を行なっている。これらの調査から賃金に対する労働供給の価格弾力性はおおよそ-0.1から-0.2の間である、と結論づけた。データと、インペディングインファレンスプロブレムの注意深い取り扱いによって、ダグラスの論文は傑出している。Theory of Wage 以降の労働力participationの画期的な発見は、以下である。

近年の労働供給に関する研究は代替効果と所得効果の測定を注意深く分離することに特徴がある。それらはMincer(1962)の結婚している女性の労働力率の論文とKoster(1966)の男性の労働時間に関する時間の博士論文に遡る。1960年代中盤のコンピュータテクノロジーの進展、特に効率的な磁気テープによるストアリングの発達、個人情報の処理、これらのデータに多変量統計分析手法を応用する費用の大幅な減少は労働供給の実証研究が大きく広まるという結果になった。この論文は既に数多くある良質なサーベイを主題としている。これらの論文は経済学の研究であると捉えられることが多い。この調査は経済学者が記述してきたのと同じように、少し変化した形でトピック、知識として継続されている。このようなわけで私は、重要な部分を行うのである。第二章では、男性のlabor force participation, 労働時間のメジャーな実証的な規則性の簡単なステートメントを行う。これらのトピックや他のトピックに関しても経済学者は説明しようとするはずであるし、経済学が数学の応用分野ではなく、実際にscienceと言えるならば、エビデンスが伴う理論に直面しなければならない。明らかになる部分が多くなるにつれて、男性の労働供給に関する多くの実証研究がある。その多くの研究が新古典派経済学の配分理論に基づいている。実際にここ20年間の労働供給の調査に関する喜ばしい一面は、注意深く理論を実証してきたという点である。同時に実証研究の多くが慣習的なモデルの有効性に関して、疑問を投げかけてこなかった。これらのモデルは主張されてきた仮説として扱われる。これまでの実証研究は仮定された関係性の規模を数値化することに注力してきた。このような数量化はどんな科学でも、本質的に重要な材料である。しかし多くの実験科学における数量化に関する精錬された試みは仮説検定に先行するのではなく、後に続く調査の段階を表す。男性の労働供給の論文においては、標準的なモデルのテストがほとんど実行されていない。労働供給に関する調査は理論なしの測定では、何も示されない。しかしテストなしの測定とされている。その理論が間違っていない保証などどこにもない。よく問われることであるし、少なくとも大半の経済学者は究極的に経済理論の示唆するところや仮定は現実の行動に一致していなければならないということを認めている。ではなぜ標準的なモデルのチェックがされていないのか。

私は理論がrejectされないのは、代替的なものが目に見える形で現れていないからという事実によると考えることには疑問を感じる。これは社会科学において、しばしば発生する対処しなければならない問題である。しかしそれでも我々は別の、行動ベースの仮説が利用可能になるまで理論をテストしようとしない。

~小さな子どもとお父さんの労働供給~ 20180908

THE EFFECTS OF SONS AND DAUGHTERS ON MEN’S LABOR SUPPLY AND WAGES

Shelly Lundberg and Elaina Rose

 

Theory

 

Literature

 

親としての活動が男性の労働供給と賃金に与える効果を計測しようとする試みはまだ少ない。Pencavel(1986)はアメリカの統計から、1980年代には小さな子供がいることは父親の比較的長い労働時間と関連があるということを発見した。

 

―― ――

 

Korenman

Phd Economics Princeton

Employment Stanford

Professional Labor Supply of Men : A Survey

 

Introduction

この研究は、男性が労働市場で給与のために働くかどうかに関する決定要因、また働くのであれば何時間働くのかに関する決定要因について扱う。人口のサイズや構造と関係がある問題については述べられていない。さらに、この論文で労働力としての退出に先行する男性の労働に関する行動に重点を置く。多くの国で男性の労働供給に対する調査が際立って行われているとしても、この調査は、多くを英国系アメリカ人の文献に制限している。男性と女性の労働行動の決定要因に関する経済学の文献は、今やすでに古いものとなっている。過去20年間の間に、労働供給がすべての労働経済学研究の最も活発な分野になることと同時に、文献数は何倍にもなった。この早くからある、継続的な労働市場の決定要因への関心は部分的に公共政策の分野から起こっている。1世紀前にこれらの研究課題は、子供の労働の規制、義務教育そして1日あたりの労働時間に対する制限に関係している。近年は、所得、商品に課される税、福利厚生のプログラムの刷新、そして生産性の変化に関わっている。報酬の増加が労働意欲を引き起こすかどうかについての予測は、少なくとも重商主義エコノミストへと遡るであろう。しかし、この問題に関する注意深いステートメントがなされたのは、つい最近のことである。

〜昨日のつづき〜 20180905

表面的には、結婚に対するリターンの効果が大きく減少してることに対して、驚きはない。というのも、ここ25年のアメリカの賃金構造は急激に変化したからである。黒人白人間の賃金の差が拡大したのは、観測要因、非観測要因の双方に対して支払われる賃金プレミアムの増加による。女性の相対的なスキルレベルの変化が1980年代の男女間の賃金格差の減少の説明として提供されている。結婚賃金プレミアムが計測されない人的資本効果を捉えているならば、他の形式の人的資本投資に対するリターンは加速しているのにも関わらずこのプレミアムは減少しているということは興味深い事実である。本稿では、白人男性の結婚リターンの減少の因果関係について調べている。結婚プレミアムの存在についての二つの別の説明、専門化仮説と選択仮説が調べられている。専門化仮説は、男性が労働市場での活動に集中することができるようになるので、より生産的になると主張している。結婚賃金プレミアムが家庭の専門化に起因しているのであれば、結婚した女性の労働市場への参加が増加していることは、多くの男性にとっての結婚へのリターンを減退させることになる。彼らが妻の労働市場の参加によって、エネルギーを家庭内生産に集中させるならば。セレクションアーギュメントは結局、労働市場で価値ある属性を身につけている男性は、結婚市場でもまた価値があると主張する。その主張によれば、結婚が観測されないスキルを向上させるのではなく、観測されない高スキルを身につけているものが、結婚を選択するのである。近年の結婚を遅らせるトレンドは、おそらく高い可能性で結婚する個人のタイプに影響を与えうる。特にこのトレンドが、結婚しないことと結びついてきた社会的不名誉が消えつつあるために、男性の結婚する意欲の大幅な減退を反映しているのであれば、男性はますます結婚マーケットに縛り付けられ、女性は結婚の意思決定において、あまり自由とは言えない状況になるかもしれない。そんな行動は結婚していない男性と比較して結婚している男性の平均的な観測できない要因の減少と結びついているだろう。そして結婚賃金プレミアムが減少するのである。

 本稿では、結婚賃金プレミアムと近年の減少傾向を説明する中で、専門化と選択の相対的長所を実証する。これらの競合する仮説をテストするために、NLS,NLSYからサンプルが得られている。長期的な調査が、結婚や労働市場のアウトカムに影響を与える個人の異質性をコントロールする固定効果推定を可能にしている。この調査による2地点の調査が、専門化あるいは結婚選択の変化が近年の結婚賃金プレミアムの減少を説明できるかどうか、についての調査を可能にする。二つのサンプル間の固定効果推定値の変化は、結婚の生産性効果の変化を特定する。クロスセクションと固定効果推定の差が変化することは結婚選択効果の変化を分離する。以下のセクションでは、結婚賃金プレミアムとその近年の減少に関連する先行研究の簡単なリビューを行なって行く。第3章では、本研究で利用される二つのデータをより詳細に、また記述統計も示す。四章で実証方法と結果、最後に結論を述べる。

〜結婚による賃金プレミアム〜 20180904

THE EFFECTS OF SONS AND DAUGHTERS ON MEN’S LABOR SUPPLY AND WAGES

Shelly Lundberg and Elaina Rose

 


theory

literature

 


Gray(1997)は結婚賃金プレミアムはこれまでに減少した、と述べその原因は夫や妻としての役割分担の傾向が弱まったことだと報告している。

 


--- The Fall in Men's Return to Marriage ---

 


Jeffrey S Gray

Phd 

Employment Illinois (at that times)

Professional 

 


 歴史上、人的資本の賃金方程式から得られた最も信頼に値する発見の一つは、結婚している男性は一度も結婚をしたことがない男性に比べて収入を得る能力が高いということである。しかしながら、結婚歴がない男性と比較したときに、結婚している男性が得る収入プレミアムは1980年代を通じて、40%以上も減少した。NLSのデータを用いて、この減少に対する二つの説明が調査された。高賃金の男性の結婚選択の変化と家庭内での専門化の減少による結婚の生産性効果の変化である。本稿の結果は、結婚賃金プレミアムの減少は、結婚と関係する生産性の減少が主な原因である、ということを示唆している。操作変数推定が生産性の減少は労働市場における妻の賃金ペナルティの増加と関連する家庭内での専門化の低下によって起きている、ということを示している。

 


Intro

 賃金の決定要因は所得不平等の根本を理解するために重要な役割を果たす。広く知られている理論的なフレームワークは現在の収入は過去の人的資本投資の関数であると仮定している。このフレームワークに従えば、学校教育や労働経験のような変数は個人の人的資本ストックをコントロールするために賃金方程式に含まれる。特に男性の賃金の決定要因を研究するために、コントロール変数として現在の結婚ステータスが含まれる。結婚ステータスを賃金方程式に含む本質的な理由は、測定されないスキルや人的資本効果をコントロールするためである。また、結婚ステータス変数は、家庭の社会経済学理論をテストするためにもまた含まれる。これまでの研究では、比較対象となる結婚経験がない男性に比べ、結婚している男性は平均して10%から40%も多く収入を得る。この結婚プレミアムは、結婚していない人に対して、結婚している人の高い教育的達成や大きな労働経験、仕事の属性や産業、職業の選択をコントロールした後でも、持続する。結婚している人にたいして、結婚していない人以上に支払われる収入、すなわち結婚プレミアムは時間を通じて一定である。しかしながらBlackburnとKorenmanの研究によれば、結婚プレミアムは67年から88年の間で10%ポイントも減少している。

~結婚することで男性の賃金はどう変化する?~ 20180901

THE EFFECTS OF SONS AND DAUGHTERS ON MEN’S LABOR SUPPLY AND WAGES

Shelly Lundberg and Elaina Rose

 

Theory

 

なぜ子供は男性の労働市場における成果に影響するのであろうか。母親であることが女性の労働供給や賃金を減少させるというエビデンスは数多く存在する。母親の労働供給の減少は、子供が生まれた後、女性の家庭での時間の価値が増加することで起こる(Becker 1985)。そして労働の生産性の低下につながる賃金率の減少は、仕事の時間、意欲が減少することに起因する。男性と女性の労働市場における成果は相互依存関係にあるというエビデンスのもとでは、父親の労働市場への反応の後に、母親の時間の再配分が次ぐ。

親であることは、家庭における彼らの時間へ2つの効果を持つだろうと予想される。第一にベッカーの研究に準ずるならば、夫の時間の価値と比較して、妻の時間の価値が増加することによる特化の効果が存在する。この考え方によれば、男性が労働市場に、より集中する一方で女性は家庭内生産に集中するという形態をとる。特化の効果の大きさは主人と妻の労働市場における賃金と家庭内における相対的な生産性に依存する。

第二にLundbergとRose(1999)の研究のフレームワークのもとで、本稿では市場集中効果と比較して、家庭集中効果という追加的な効果を導入する。この効果は、子供が生まれた後に、育児時間へのインプットとしての時間が増加することによる。この効果によって、親であることに反応し、家庭に費やされる世帯の全資源の増加が引き起こされる。我々の研究では、子供が女性に与える効果の予測値は明白である。特化と家庭集中効果の二つは負である。しかしながら男性に対しては、その影響は明確なものではない。親としての責任を強く感じていればいるほど、おそらく家庭集中効果は特化の効果を支配するだろう。つまり子供が生まれた後に、労働供給は減少する。子どもの父親の労働市場の結果に与える影響はおそらく、パリティのレベルとコーホートによって異なる。本研究では特化から得られる潜在的な利益は、女性の労働供給の減少が最初の1,2人目の子供がいる時の最も大きいので、パリティとともに減少していくことが、期待される。これは、父親の賃金に対して、子どもの数が与える効果は、非線形であり非単調であることを示している。そして、それに関する実証的な研究結果を与える。

結婚による特化の効果は、近年の夫婦などにおいて減少してしまったように思える。男女の生産性は類似してきているからだ。しかしながら、これが子どもの誕生の後に起こる、特化の変化が小さくなってしまったことを意味しているのではない。例えば、近年の家庭では、結婚後即座に特化を行うわけではないならば、1人目の子供が生まれた後の特化の進展はより大きいかもしれない。同様に、家庭内生産における親としての時間の代替となる市場の拡大に伴う、家庭集中効果の減少は必ずしも子供が生まれた後の家庭集中への変化が負である、ということ意味するわけではない。それゆえ、男性のアウトカムに対する子どもの効果がコーホート毎に、符号、大きさに差異を産むかどうかは実証的な問題である。

 

Literature

世帯と男性の労働市場におけるアウトカムの関係性についての論文は結婚が賃金に与える影響を中心に分析している。結婚している男性は独身の男性に比べて、同じ教育年数・経験年数であったとしても、より多く賃金をえる。しかし、結婚が男性をより生産的にさせているのか、あるいは生産的な男性が結婚を選択しているのかどうかに関しては、明らかになっていない。KorenmanとNeumark(1991)はこの結婚プレミアムについて固定効果推定を行い、結婚している男性は独身男性と比較して、およそ6%賃金が高く、そのプレミアムは結婚期間を通じて徐々に増加していく、ということを示した。入念な調査、賃金、専門家や管理職の個人的な性質に関する会社のデータを用いた彼らの研究は、結婚の効果が増加するのは、ある職種における男性の結婚プレミアムによるものであるというよりは、結婚している男性の昇進が原因であるということを示唆している。その研究で他に報告されているのは、男性の結婚プレミアムは増加する男性の生産性によるものであり、それは家庭内の特化の利益によるものである。

 

―― Korenman and Neumark (1991)  Does Marriage Really Make Men More Productive ? ――

 

Korenman

Phd Economics Harvard

Employment Marxe School

Professional Health Insurance and Poverty, Childbearing, Family?

 

Neumark

Phd Economics Harvard

Employment UCI

Professional Men&Women difference as labor force

 

Abstract

本研究は白人男性によって得られる結婚プレミアムを詳細に述べた新たなエビデンスである。長期的なデータによれば賃金は結婚後に増加する。クロスセクショナルな結婚プレミアムは収入のグラフが急になることに起因しているように思える。仕事のグレードや上司からのパフォーマンスに関する評価についての情報を含む会社個別のデータは、管理職なのか専門職なのかという職種、単体の会社なのかという環境のようなある狭い範囲で、結婚プレミアムには差異があることを明らかにしている。結婚している労働者はより高い給与が支払われるような職能評価を得ている傾向がある。ちなみにその評価の中では、給与の差異は小さい。結婚している男性は独身男性と比べて、より高いパフォーマンス評価を受けている。結果として彼らは昇進しやすい。しかしながら、パフォーマンス評価を制御することで、昇進格差を排除することができる。

Introduction

労働経済学者たちは現在結婚していない男性より、結婚している男性の方が時給という点でより収入があるということに留意してきた。このような賃金格差は教育年数、人種、地域、年齢、仕事の経験、職種や産業などが考慮されても持続する。だいたいのところ、賃金格差はおよそ10~40%である。それは大雑把に言うと人種、会社の規模、組合の賃金格差と同じくらいの大きさである。また産業の格差と同じくらいでもあるが、これらすべての要因は幅広く研究されている。結婚プレミアムは労働市場における性差別を推定することになるため、特に関心が寄せられている。アメリカにおいては、男性の結婚プレミアムが性による賃金差別の約3分の1を説明している(Neumark 1988)。(※ 賃金格差を推定する標準的なテクニックは(Oaxaca 1987,Blidnder 1987)2つのグループ間の賃金格差を平均的な性質の差異による部分と別々の賃金回帰による係数の差異による部分に分解するという方法である。係数の差異により起こる賃金格差に関しては一般的に差別的であると解釈されている。男性の結婚ステータスの係数は大きく、正の値をとるが、女性に関して言えば、大体ゼロに近い。)より一般的には、結婚による賃金プレミアムを説明しようと努めることで個人の賃金の決定要因をより理解することができる。結婚の延期・離婚率の増加、小さな子供がいる結婚している女性の労働力としての市場への参加の増加などの傾向を考慮した上で、労働市場のアウトカムにおいて結婚ステータスによる格差は関心を集めている。結婚しているかどうかによる賃金格差が生産性の格差を表しているのであれば、労働力の結婚ステータスの変化は、水面下で労働力の生産性に影響を与えうる。

男性の結婚による クロスセクショナルな賃金格差は大きいということは広く理解されているが、その原因に関しては、あまり共通の理解があるとは言えない状況である。実際に最近の賃金の性差に関する批評として、Goldingは以下のように述べている。

“男性労働者の賃金を高めるという意味での結婚の役割というものは、いまだにはっきり理解されていない。”

一つのメジャーな仮説は、収入格差は生産性格差が原因である、という仮説である。つまり結婚は労働者を生産的にさせるということである(Becker 1981 Kenny 1983 Greenhalgh 1980)。別の仮説としては、賃金格差は雇用者側のえこひいきによる、というものである(Hill 1979 Bartlett and Callahan 1984)。そして、第三の仮説は賃金・労働市場で評価される個人の特徴がベースにあって、結婚を選択するというものである(Becker 1981, Nakosteen and Zimmer 1987, Keeley 1977) ※ この分野における、出版された成果に対する我々のリビューは、広く定義されているため、これらの直近のカテゴリーの中で、発展されているメジャーな仮説はカバーしている。しかしながら、このカテゴリーに分類されない、別の仮説も存在する。ReedとHarforl(1988)は最近、以下のような仮説を提示した。それは、結婚している男性は不都合な状況下で働いているため、結婚プレミアムとは彼らを買収するための補償格差なのかもしれない、ということである。

本研究は白人男性の結婚プレミアムの原因に関する仮説の価値判断、精錬をするための詳細で新らしいエビデンスである(※ KorenmanとNeumark (1990 1988)は結婚と女性、マイノリティの男性に支払われる給与の間の関係をそれぞれ調べている)。このエビデンスは2つのリソース、National Longitudial Survey of Young Men (NLSYM)とアメリカの製造業の単体企業の会社の個別のデータから得られる。この長期的なデータは結婚ステータスが変化した時、賃金はどのように変化するのか、結婚している状態のもとで1年間を過ごした場合の賃金がどのように変化するのかを推定するために、使用される。カンパニーデータによって、我々はかなり似たような状況、例えば職種(管理職なのか専門職なのか)や環境(単体企業)というような観点で結婚ステータスによる差異を推定する。この操作によって、異なる結婚ステータスである個人の間で可能性として、異なる可能性のある、労働者・仕事の重要な性質を暗黙のうちに制御している。これらのデータは、より標準的な労働市場におけるデータからは得られない被雇用者の情報、例えば、彼らのポジション(あるいは職能評価)や上司から与えられるパフォーマンス指標などを保有している。

続く章では、男性の結婚賃金格差に関する、現在までの文献をリビューする。第三章ではNLSYMのデータについて、第四章では推定の手順とその結果を述べる。第5章については、企業データについてとそのデータより得られた知見について述べる。第6章でディスカッションと結論が続く。